2014年03月14日

日本国憲法の欠陥はフランス憲法(1791年)第146条に似る−緊急勅令の意義

 日本国憲法第54条(衆議院解散時の参議院の緊急集会)は大日本帝國憲法第八條と似て非なるものである。帝國憲法第八條は、衆院解散時に参議院の緊急集会が不可能となる非常事態や、衆院解散時に非ざる国会の閉会中に臨時会の召集が不可能となる非常事態において、政府に國家の存立と國民の救済を図るために必要な緊急立法措置を講じる権限を与えるものである。

 マッカーサー占領軍憲法(日本国憲法)には大日本帝國憲法第八條および第七十條(緊急勅令)に相当する条項がない

 この日本国憲法の欠陥は、伊藤博文ら帝國憲法原案起草者たちが反対参照(反面教師)にしたフランス憲法(1791年)第146条に似ている。

 明治流憲法秘奥義を知る者は、マッカーサー占領軍憲法(日本国憲法)とそれを正当化する違憲有効界のインチキ憲法学者どもの憲法解釈学を生真面目に勉強するのがアホらしくなる。

 枢密院帝國憲法草案第八條 天皇は國家の危難又は國民の災厄を避くる為の必要に由り帝國議会閉会の場合に於て法律に代るべき勅令を発す 此の勅令は次の会期に於て帝國議会に提出すべし 若議会に於て之を承認せざるときは将来に向て法律たるの効力を失うべし

【第八條注解】

 恭て(つつしみて)按ずる(註、調査するという意味)に、蓋(けだし)國家一旦内外危難の事あり、又は國民凶荒災厄の変あるに当て、安全を保ち急迫を救う為に力の及ぶ所を極めて必要の処分を施さざることを得ず。

 此の時に当て議会偶々(たまたま)開会の期に当らざるときは、政府進で其の責を執り勅令を発して法律に代え其の必要に応じ、遺計無からしむるは、國家自衛及保護の道に於て固(もと)より已む(やむ)を得ざるに出る者なり。

 故に前第五條に於て立法権の施行は議会の承認を経と云えるは、其の常を示すなり。本條に勅令を以て法律に代うることを許すは、急迫時機の為に除外例を示すなり。是を危急命令の権とす。

 抑々(そもそも)危急命令の権は憲法の許す所にして、又憲法の尤も濫用を戒むる所なり。故に憲法は國家の危難又は國民の災厄を避る為の必要に限り此の特権を用いることを許し、而して利益を増進する為の通常に理由に因り之を濫用することを許さず(ブルンチュリ氏に依る)。

 若(もし)政府にして此の特権に託し容易に議会の公議を回避するの方便となし、又以て用意に既定の法律を破壊するに至ては、憲法の條規は亦空文に帰し、一も臣民の為に保障を為すこと能わざらんとす。故に本條は議会を以て此の特権の監督たらしめ、危急命令を事後に検査して之を承認せしむべきことを定めたり。

 本條は憲法中に於て疑問尤も(もっとも)多きの條とす。今逐一問目を設けて以て之を解釈せんとす。

 第一、議会にして此の勅令の承認を拒むときは政府は何等の処分を取るべきや。政府は更に勅令を発して前日の勅令を廃止するの義務を負わざるべからず(普國に於ては単に公告式を用ゆ)。此れ皇室自ら其の大権を制限する謙譲の至意に出る者なり。

 第二、議会は何の理由に由り其の承認を拒むことを得べきや。蓋(けだし)此の勅令の憲法に矛盾することを発見し、又は其の他の重大な事故に由り承認を拒むことを得べし。但し其の時機の果して急切にして此の勅令を発布するに適当なるや否やを断定するに至ては、一に政府の権任にして議会の得て問う所に非ざるべきなり。

 第三、危急命令にして政府若(もし)次の会期に於て議会の承認に付せざるときは如何。勅令は自然に其の効力を失うべきなり。故に危急命令は其の之を発するに当て本條に準拠して之を発することを宣言するを式とすべきなり。

 第四、政府若(もし)之を議会の承認に付せざるか、或は議会其の承認を拒むの後、政府に於て仍(なお)廃止の令を発せざるときは、議会は何等の処分をなすべきか。議会は質問又は上奏又は請願に依り、政府の答責を求むるの方法を取ることを得べし。

 第五、議会若(もし)承認を拒むときは、前日に泝(さかのぼ)り勅令の効力を取消すことを求むることを得るか。本條既に正文を以て政府の為に危急命令を発するを許すときは、此の承認は即ち政府依法の処分を承認する者にして、彼の英國に所謂(いわゆる)解責法の違法の処分を免宥する者と同じからず。而して其の之を承認せざるは単に将来に法律として継続の効力を有することを拒むものにして、之を過去にまで及ぼすことを得ざるなり。

 第六、議会之を承認するときは、其の効力は如何。更に公布を待たずして其の勅令は将来に法律の効力を継続すべきなり。

(附記)英國に於ける解責法は、行害の為に責を解くの義なり。千七百六十六年に飢饉の虞(おそれ)ありしに因り、政府は枢密院令を以て船舶の麦を載せて発航することを禁止したり。又千七百九十七年貨幣の恐慌に際し、枢密院令を以て英蘭銀行に現貨の仕払を停止したり。

 而して其の後議会は両件の為に解責法を議決したり(コックス氏二十九頁)。此れ乃英國は此の類の処分を以て違法とし、特に違法の責を解くの方法を取る者にして、本條の此の非常手段を以て憲法の固より認むる所とする者と其の跡相似てその実は逕庭(けいてい−ちがい、相違、へだたりという意味)の差あり。

【第八條参照】

普(プロイセン)第六十三條 公共の安全を保つ為に又は危難の為に緊急の処置を為すを要し而して議院の開会に際せざるときは内閣の責任を以て憲法に背かざる勅令を発し法律の効力を有せしむることを得。但し此の勅令は議院の次会に於て其の承諾を取るを要す。

丁(デンマーク)第二十五條 緊急なる場合に於て國会開会せざるときに当て王は仮の法律を公布することを得。此の法律は國憲に違戻することを得ず常に次会に於て國会に提出す可し。

墺(オーストリア)國会憲法第十四條 憲法に依り國会の職任に属すべき事件に付緊要なる処分を要するに臨み國会開会せざるときは内閣の責任を以て勅令を下して之を処分することを得。但し此れが為に憲法を廃棄し國庫に永続の負担を生じ及官地を売却譲與することを得ず。其の勅令は内閣之に手署し此の憲法の本條を指定して発布したるに於ては仮に法律の効力を有す。

 其の勅令は発布後に開きたる國会の会議に政府より之を呈出することを怠るとき及代議士院召集の日より四週日間の後に至り猶(なお)之を該院に移さざるとき又は両院中にて之を承認せざるときは法律たるの効力を失う。内閣は其の勅令の仮に有する法律の効力を失いたるより即時に之を廃棄するの責に任ず。

(反対参照)
仏(フランス)千七百九十一年第百四十六條 行政権は仮にも法律を制定することを得ず。但し法律に従い其の施行を命令督責する為に勅令を下すことを得。


 帝國憲法草案第八條は、枢密院帝國憲法制定会議列席者の熱心かつ誠実な審議によって、

「第八條 天皇は公共の安全を保持し又は其の災厄を避くる為緊急の必要に由り帝國議会閉会の場合に於て法律に代るべき勅令を発す 此の勅令は次の会期に於て帝國議会に提出すべし 若し議会に於て承諾せざるときは政府は将来に向て其の効力を失うことを公布すべし」

と修正され、明治天皇の御親裁を得、大日本帝國憲法第八條となった。

 枢密院帝國憲法草案第八條に関する質疑に対する伊藤博文の応答は、【第八條注解】の後身である大日本帝国憲法義解第八條解説(伊藤博文著『憲法義解』の現代語訳)によって言い尽くされている。

 憲法義解、憲法注解、憲法参照、枢密院帝國憲法制定会議の審議は、いずれも、筆者が某私立大学法学部とLECで受けた憲法学の講義とは、全く比べ物にならないほどハイレベルである

 明治流憲法奥義を知る者は、マッカーサー占領軍憲法(日本国憲法)とそれを正当化する違憲有効界のインチキ憲法学者どもの憲法解釈学を生真面目に勉強するのがアホらしくなる。

 ここに筆者は戦後民主主義(占領軍憲法体制)を打倒する道があると確信する。

<日本国民を戦後民主主義洗脳狂育から覚醒させる名著>

こうして日本人は国を愛せなくなった・・・日本が二度と立ち上がれないようにアメリカが占領期に行ったこと

正統憲法復元改正への道標が記録する憲法学界の真相は、法曹関係者の間では有名な東大憲法学教授の芦部信喜と小林直樹は、昭和三十八年に、帝国憲法擁護派の小森義峯教授によって彼等の憲法論の誤謬を厳しく指摘され公開論争を挑まれたが、一言半句の反論もできず、沈黙を余儀なくされたことである

 宮沢俊義によって捏造され、樋口陽一に継承されている東大法学部マルクス憲法学は、すでに論破され大敗北を喫した真赤なウソ学問なのである。

・日本側にはどこにも自由がなかったことを指摘する「日本国憲法」無効論

戦前日本は暗黒だったという反日左翼の歴史観を粉砕する!戦前の日本では、これほど素晴らしい教育が行われていたのかと感動させる不朽の名著「修身教授録−現代に甦る人間学の要諦

・GHQの公職追放は、敗戦後の日本の古代史学会に史書たる「記紀」の軽視と荒唐無稽な珍説の横行ももたらした・・・学界に葬られた古代天皇が蘇り、私たちの前に確かな証言をつきつける古代天皇はなぜ殺されたのか

「現人神」「国家神道」という幻想―近代日本を歪めた俗説を糺す。大東亜戦争を引きき起こした思想は国家神道ではない。目覚めよ日本人!!
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posted by 森羅万象の歴史家 at 00:00| 大日本帝国憲法の真髄 | 更新情報をチェックする