2015年01月11日

政教分離を気にしない戦後世代を育てた厚生省推薦の仏教アニメ

 かつて厚生省はテレビ朝日と結託し、ある特定宗教の布教活動を熱心に行っていた。特定宗教とは仏教の禅宗である。厚生省はテレビ放送を通じてテレビの前の数百万どころか数千万単位の親子に仏教アニメの視聴を推薦していた。

 この仏教アニメは間違いなく仏教に関心を持つ国民、禅宗に好意を抱く国民を爆発的に増やした。この仏教アニメの主人公は、日本国憲法を僭称するマッカーサー占領軍憲法に違法占領されている戦後の日本国において、仏教各宗派の開祖以外では、最も有名な日本人宗教家であろう。

 この仏教アニメを見て育った日本国民の中で、我が国の中世に実在したこの日本人宗教家を嫌悪する人は絶無ではないだろうか。

 というのも、この仏教アニメのオープニング曲が極めて効果的に児童を洗脳する歌だからである。かくいう筆者自身が今だにこの仏教アニメの洗脳歌を諳んじていて、おそらく死ぬまでこの洗脳歌と仏教アニメの主人公を忘れられないだろう。

 しかし筆者は信教の自由を全く喪失していない。厚生省は政教分離少なくとも政教完全分離を無視したものの、いかなる意味においても、国民の思想信条の自由を侵害していないのである。



 「好き好き好き好き好き好き、愛してる~好き好き好き好き好き、一休さん~」という洗脳歌が始まる直前、番組の開始を告げる鐘の音とともに安国寺が映し出される場面は、「中央児童福祉審議会推薦」というテロップを強調している。

 この中央児童福祉審議会(1948~1999)は、厚生省によって設立された組織であり、れっきとした国の公的機関であった。厚生省児童家庭局管轄下の中央児童福祉審議会がテレビ放送を通じて仏教アニメの視聴を国民に推薦し、仏教勢力の拡大を露骨に支援していたのである。

 これが政教分離違反に当たらないのであれば、政治家や官僚が神道の儀礼に従い神社を参拝し或は地鎮祭を行うことは政教分離には当たるまい。

 もし中央児童福祉審議会の推薦が政教分離違反であったのであれば、この事実は、国民の信教の自由を保障するために、政教分離は全く必要ないことを証明する。厚生省の推薦を受けた仏教アニメ「一休さん」(全296話)を見て育った戦後世代は、筆者のようにオープニング曲に洗脳された国民といえども、信教の自由を喪失していないからである。

 憲法が信教の自由を保障し国家の最高法規として機能すれば、信教の自由を侵害するに至る宗教勢力の政治活動や、信教の自由を侵害するに至る政治勢力の宗教活動は、いずれも憲法違反であり違憲無効になるから、政教分離は全く必要ない。

 我が国の信教の自由を保障するには、大日本帝國憲法第二十八條とそのコメンタリー憲法義解第二十八條解説があれば充分である。政教分離は却って国民の信教の自由を侵害してしまうからである(詳細は社会党と内閣法制局の大罪を糾す昭和天皇のおほみうた-御製に仰ぐご生涯)。 

 国を憂う者が占領憲法の「政教分離」を根拠にして創価学会を糾弾し、占領憲法の「国民主権」を根拠に創価学会や民主党が目論む永住外国人地方参政権付与法案に反対すると、本質的に極左のイデオロギーである政教分離と国民主権を強化してしまい、結果としてミイラ取りがミイラになってしまう。
 
 ゆえに今こそ法の支配を尊重する平和主義が日本国の再興に必要なのである。
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posted by 森羅万象の歴史家 at 21:00| 日本国憲法の正体 | 更新情報をチェックする